空京

校長室

創世の絆第二部 第二回

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創世の絆第二部 第二回

リアクション


■激闘! ドージェチームVS山葉チーム・1

「まだまだこれからだぜ!」
いきなりのホームランで先制点を取られたピッチャー・山葉であったが、
気合いを入れなおす。

そこに、山葉チームの応援団が声援を送る。
「大丈夫、大丈夫!
まだ試合は始まったばかりよ!」
白波 理沙(しらなみ・りさ)は、
チアリーダー衣装に身を包み、
ポンポンを振る。
パートナーの
ノア・リヴァル(のあ・りう゛ぁる)も、
一緒に応援する。
「理沙、今回は珍しく応援側なのですね」
「だって一度チア衣装で応援ってやりたかったんだもの」

五十嵐 理沙(いがらし・りさ)も、
ツァンダワイヴァーンズのマスコットガールズとして、
山葉を応援する。
「山葉っち!
『蒼空ワルキューレ』の応援歌を大サービスで歌ってあげるわ!
普段はライバルだけど、今日ばっかりは山葉っちの応援してあげるわよ!」
五十嵐 理沙(いがらし・りさ)は、
アイドルらしく高い場所に上ると、叫んだ。
「この私の歌を聞けぇーーーーーーーーーーーーーーー!」

『蒼空ワルキューレ』の応援歌が流れる。
それに合わせ、白波 理沙(しらなみ・りさ)がチアダンスを踊る。
「見なさい、山葉! この私達の応援を!」

「あらあら、ダブル理沙のパフォーマンスね」
ノアが、にこにこしながら言った。
「ふふ、わたくしも負けませんわ!」
セレスティア・エンジュ(せれすてぃあ・えんじゅ)も、
『蒼空ワルキューレ』の応援歌に続き、即興の歌を歌い始めた。
どこかで聞いたことのあるメロディに簡単な歌詞を乗せ、
誰でも歌えるようにしたものであった。
「一緒に歌って盛り上げましょう!」
応援席にいる観客に呼びかけ、大合唱が始まる。
山葉チームの応援席は、にわかに活気づいた。

「ありがとうな!
皆、しまっていこう!」
山葉がマウンドから声援に礼を言う。

そこに、
白の海賊服を着た
六本木 優希(ろっぽんぎ・ゆうき)が、登場する。
「皆さん、頑張っていきましょうね!」
【SPB公認マスコットキャラクター】として、
優希もこの試合を盛り上げようとしているのだ。
アレクセイ・ヴァングライド(あれくせい・う゛ぁんぐらいど)は、
優希とおそろいの黒の海賊服を着ている。
この日のために、アレクセイの海賊服を元にそろいの服を作ったのだった。

「俺様達は「ツインズ・パイレーツ」!
生き神と元メガネ校長の試合、応援させてもらうぜ!」
アレクセイが観客にアピールする。

従者の事務員にも頼みつつ、
優希自身も、試合の様子を撮影する。
「SPBがこの試合の映像を必要としているか
私にはわかりかねますが
ドージェ信者の方々には喜んで貰えるかも知れませんので」
「そうだな。
まさしく超人野球って奴だからな」
アレクセイもうなずく。

こうして、試合の様子が中継される。
ダブル理沙のパフォーマンスも、
優希はばっちり撮影していた。


球場が温まったところで、
ドージェチームの2番バッターが登場する。
弁天屋 菊(べんてんや・きく)であった。

「【ツァンダワイヴァーンズ 内野手】としてオーソドックスな野球で守備を鍛えた。
前にパラ実野球もやってるから死角はねぇ!」
(実力も無ぇ……が、
こんなところで負けたらパラ実生の名がすたるってもんよ)

筍里をバットに、
菊は、先端のドリルを当てることで、ボールが変則的な飛び方をするのを狙う。

「三振取ってやるぜ!」
「見えたッ!」
山葉のど真ん中を狙った真っ向勝負の剛速球に、
菊が筍里を当てる。

奇妙にボテボテとバウンドするボールを、
ショートのエヴァルト・マルトリッツ(えう゛ぁると・まるとりっつ)がキャッチする。
「行かせるか!」
エヴァルトもまた、今回の野球で、ドージェとともに戦うことで、
力を蓄えようとする者のひとりであった。

すぐ一塁に返球しようとするエヴァルトだが、
菊が、走りながら変熊のかんづめを開ける。

「どうなるかわかんねえけど、足止めだ、喰らいな!」
「な、なんだと!?」

変熊のかんづめから出てきたのは、
金色のボールであった。
しかも、それが何個もコロコロと転がってくる。

「わはははは! どれが本物のボールかわからねえだろ!」
「って、くだらないエロは許さーん!
だいたい、本物は2つだけだろう!」
うっかりボールを落としそうになるエヴァルトだが、
気合いでグローブから死守し、一塁にダッシュ!

「しまっ……」
エヴァルトに突進され、菊はタッチアウトになる。

「1アウトー!」
鳥人型ギフトが叫んだ。

そのころ、エヴァルトのパートナーの
ロートラウト・エッカート(ろーとらうと・えっかーと)は。
親魏倭王 卑弥呼(しんぎわおう・ひみこ)
出虎斗羅、秋葉原四十八星華の移動劇場を売店ブースに改装し、
売り子をしているところへやってきていた。
「えー、オセンにキャラメル、カチワリに弁当、なんでもあるよ!」
卑弥呼はこの試合に、
【卑弥呼の酒場・ニルヴァーナ支店】として、協賛を申し込んでいたのだ。
「ドージェチームのタオルはあるかな?」
「あいよ、ドージェタオル一丁!」

球団グッズのタオルを購入し、
ロートラウトは、敵チームのドージェに差し入れをする。
「はじめましてだね、ドージェくん!
血だらけでバット握りにくくない?
タオルあげるから、血を拭いて万全の状態でやろうよ!」
「……」
ドージェは無言でタオルを受け取った。

(多分、ドージェくんも弟とか妹とかが心配に違いないよね)
そう思いつつ、ロートラウトが言う。

「勝つのが重要だから野球に応じて鍛えたいんだね!
ニクいねー、このこの!
……まさか本当はぺたんこ・妹好きとか?」
「……」
夏來 香菜(なつき・かな)本人が聞いたらマジギレしそうなロートラウトの発言に、
ドージェはやはり無言でいる。
(うわ、やっぱ少し怖いな。
……だけど)
「差し入れありがとうございます」
隣でにこにこするマレーナを見て、ロートラウトは納得する。

(ドージェは、ぺたんこも巨乳も両方好きなのかな? さすが神!)