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リアクション
■激闘! ドージェチームVS山葉チーム・5
その後、アウトを取り、ドージェチームの攻撃となった。
2回表
「パラミタのプロ野球もやってたし、前より成長してるもん。
絶対に空振り取ってやる!」
七瀬 巡(ななせ・めぐる)が、
ドージェが帰ってきたのを喜んでいるのを、
七瀬 歩(ななせ・あゆむ)が、微笑ましく見守っていた。
(巡ちゃん張り切ってるなぁ。
喜んでると言えばマレーナさんもすごく嬉しそう)
歩が、マレーナの方にも視線を送る。
(……もしかしたら、ドージェさんはまた強い人と戦ったりして、
危ないことになるのかもしれないけど、
それでも今は楽しいことを一緒にできたらいいな)
つかの間の平和を、味わうことができればと。
もちろん、これから先の戦いがあることはわかっているけれど。
歩は、そう思った。
「ドージェにーちゃん!
勝負だよ!」
ハリネズミ型ギフトを手に、巡が、バッターボックスに立つドージェに宣言する。
(ドージェにーちゃんにパワーじゃまず勝てない。
必要なのは緩急とコントロール、そして投球の組み立て方。
勝負球はドージェにーちゃんの体格だと一番打ちにくそうな内角低めのチェンジアップ。
それまでのピッチングで、外角のストレートを意識させてから勝負だ!)
最初はボール球で、
わざと外していた巡であったが、
ついに、勝負へと出る。
「これがボクの……!」
死角を責められるも、ドージェは、短くバットを持ち、
器用に振ってみせた。
乾いた音が響き渡った。
「な、ホームラン!?」
巡が天を仰ぐ。
ドージェチーム5−山葉チーム5
続けて、バッターボックスに立つ、
ドージェチームの選手は、
セシル・フォークナー(せしる・ふぉーくなー)である。
「本拠地攻撃一番槍の栄光を是非ドージェ様に。
できればその時はご一緒させていただきたいと思います」
「行くよ!」
巡のハリネズミ型ギフトに、
セシルは思いっきり突っ込んでいく。
「ぎゃぶっ!?」
「あ……」
セシルは、勢い余ってハリネズミ型ギフトに自分から激突した。
「この程度!
自分の頭をバットにしてはいけないというルールはありません!」
ハリネズミ型ギフトが刺さった頭からだらだら血を流しつつ、
セシルは、気合いでベースを回り、
ホームまで到達した。
ドージェチーム6−山葉チーム5
その後、巡は順調に抑えてチェンジとなる。
2回裏
山葉チームの攻撃。
ドージェチームのキャッチャーは
グラハム・エイブラムス(ぐらはむ・えいぶらむす)である。
「伝説の先輩の球、是非とも受けてみたいモンだぜ」
グラハムが気合を入れる。
一方、山葉チームでは。
「ただの山葉 涼司に戻ったのはいいけど、一人で野球はできないわよ。涼司?
私も一緒にバカやらせてもらうわ。唯のリネン・エルフトとして……ね?」
そう言って、
リネン・エルフト(りねん・えるふと)は、
山葉チームへと加わっていた。
「行くわよ、ドージェ!」
ピッチャーのドージェにリネンが力強く宣言する。
剛速球が、リネンの傍を通り抜けた。
「うおおおおお!
パラ実のメイン盾、グラハム様を舐めるんじゃねえ! と め る!」
ドージェのボールを、グラハムが吹き飛ばされつつもミットに抑える。
「なるほどね。
高速の飛空艇をしのぐ速さね……」
しかし、これを観察するのが、リネンの目的であった。
「後は頼んだわよ、フェイミィ!」
リネンのパートナーの
フェイミィ・オルトリンデ(ふぇいみぃ・おるとりんで)が、
続けてバッターボックスに立つ。
「先に言っておくぜ。
オレたちの切り札は30秒足らずしかもたねぇ。
ドージェ、一球勝負でこい!
もって30秒間だが、
その30秒間はイコンだろうが神だろうが、絶対に負けねぇ30秒だ!」
フェイミィが、ドージェに宣言する。
リネンが、行動予測で予測した球筋を、フェイミィに伝える。
「こいよ、ドージェ!」
セラフィックフォースを発動させ、
熾天使の力で、フェイミィはドージェに対しようとする。
ドージェの剛速球を、特別な力で、フェイミィが受け止める。
「うおおおおおおおおおおおおおおっ!」
ハリネズミ型ギフトが、場外へと飛んで行った。
ホームランであった。
「やったわね、フェイミィ!」
「おう!」
ベースを回ったフェイミィは、リネンとハイタッチする。
ドージェチーム6−山葉チーム6
かくして、山葉チームは同点に追いつく。
「ドージェさんに勝つなんて普通にやったらムリゲーなのですよ。
でも、これなら、もしかしたら行けるかもしれないです?」
土方 伊織(ひじかた・いおり)が、山葉チームの攻勢を見てうなずく。
「ほむ、あれが野球と言うものですか……何とも過激なスポーツだったのですね」
サー ベディヴィエール(さー・べでぃう゛ぃえーる)が、応援席でつぶやく。
「お嬢様、頑張ってくださいね!
此度は山葉様とのご勝負。私が出る幕は御座いませんでしょう。
ですので、ご友人の役に立ちたいと健気に頑張るお嬢様の応援だけ、
そう応援だけさせて頂きますわ。
普通じゃないスポーツに参加したくないとかそんな事は有りませんですからー」
「って、ベディさーん?
あきらかに後半が本音なのですよー!?」
パートナーの発言に、
伊織が、ツッコミを入れる。
「はわわ、でも、山葉さんにお手伝いしますって言った以上、
それなりの働きはさせてもらうのですよ。
でも、あんなのでっとぼーるしたら死んじゃうですし、
打ち返すのもギフトさんがいたそーです。
だったら、いっそのこと……」
ドージェの剛速球が伊織に迫る!
「ふぁいなるれじぇんどーで一撃必殺しちゃれーです!」
伊織の打ち上げたボールは、二塁打になった。
続いて、山葉チームのバッターボックスに立ったのは、
ゲブー・オブイン(げぶー・おぶいん)であった。
「おっぱい管理人はてめぇにゃもったいないぜー!
勝負だ、ドージェぇ!!!」
マレーナへの愛から、ゲブーはドージェに勝負を挑んだ。
「マレーナのおっぱいを癒すのは俺様だー!」
ゲブーは、全力を出して、ドージェに立ち向かった。
「自在で腕を固めてバットに!
倍勇拳で限界までパワーアップ!
雷霆の拳で雷光のように素早く!
先制攻撃で信じられないほど素早く!
金城湯池と後の先で投げモーションに合わせてスイング!
ドラゴンアーツのパワー!
これが俺様の全力だーっ!」
「いけ、いけ、ピンクモヒカン兄貴!
モヒカンの意地を見せ付けてやれー!」
実はドージェの頭をモヒカンにできないかと思ってる、
バーバーモヒカン シャンバラ大荒野店(ばーばーもひかん・しゃんばらだいこうやてん)が応援する中、
ピンクの光るモヒカンを振りかざし、ゲブーが
自分の腕をハリネズミ型ギフトに当てに行く!
「ぐああああああああああああああっ!?」
おっぱいにかける情熱により、ゲブーはぶっ飛ばされつつもホームランを打つ。
「ピンクモヒカン兄貴!
走らないと点が入らないよ!」
バーバーモヒカンが、ゲブーを担ぎ上げる。
ボロボロになったゲブーを
バーバーモヒカンが担いでホームインさせ、
伊織とゲブーがホームに帰ったことで、
山葉チームに2点が入る。
「や、やったぜ……。
俺様に惚れ直しただろ、おっぱい管理人……」
ゲブーは、そう言いつつ気絶したのだった。
ドージェチーム6−山葉チーム8
山葉チームの逆転である。
そして、この回もドージェが打者を打ち取り、次の回へ続く。