空京

校長室

創世の絆 第一回

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創世の絆 第一回

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「フハハハ! 我が名は秘密結社オリュンポスの天才科学者ドクター・ハデス(どくたー・はです)! ラクシュミ校長よ! 俺は現状でイレイザーに対抗できる唯一の手段、熾天使の研究をおこなう学科の創設を提案するぞ!」
「「熾天使……。でも熾天使はまだリファニーちゃんだけしか発見されてないはずじゃ……」」
「その通り! しかも彼女は未だ全く持って真の力を発揮できていない! 検体が少ないからこそのロマン、契約者との絆によって生まれる奇跡! 研究対象としてこれほどやりがいのあるものは無い!!」
「は、はぁ」
「遅ればせながら天樹 十六凪(あまぎ・いざなぎ)です。僕たちの提案は「熾天使研究科」を設立して頂くことです。熾天使の研究はニルヴァーナ探索に不可欠なものとなると考えています。是非ご一考を」


滝川 洋介(たきがわ・ようすけ)大友 宗麟(おおとも・そうりん)だ。オレたちは「環境科」の設立を提案する」
「「環境科ですか。シンプルで良いですね」」
「荒れたいだけ荒れてるからな、開拓にも開発にも、まずは現状を把握しなきゃと思ってさ」
「まずは住みやすい環境づくりをしなきゃ、だろ?」
「「えぇ。前向きに検討しましょう」」


水橋 エリス(みずばし・えりす)、それから夏候惇・元譲(かこうとん・げんじょう)です。私たちが設立して欲しい学部は「魔法学部」です」
「「イルミンスールのような、ですか?」」
「それに限りませんが、イメージとしてはそうですね。今はイルミンスールに在籍してますが、こちらに「魔法学部」があれば転入も検討できますので」
「おいエリス、緑化の件は言わなくて良いのか?」
「そうでした。この地ではパラミタから持ち込んだ植木や苗がどのように成長するのかを調べたいと思っています。転入が叶えば、より深く研究することも可能だと考えています」
「「わかりました。参考にしましょう」」


ソア・ウェンボリス(そあ・うぇんぼりす)雪国 ベア(ゆきぐに・べあ)です。私も新しい学校が素敵な学校になったらいいなって思いますので考えてみたのですが……やっぱり「魔法学科」があったら嬉しいですっ!」
「「先程の方は魔法学部でしたね」」
「あの……そうなんですけど」
「学部とか学科とかはどうでも良いんだ! 要は魔法を学べる授業が受けられればそれで良い。それから新しい学校は、何かに突出するよりも、生徒自身が学ぶべきものを選んで学べるような、そんな総合的な学校の方が良いんじゃないかと思うんだ。「魔法学部」もその一つってわけだ」
「「そうですね。学科選びと一緒に検討してみます」」


上條 優夏(かみじょう・ゆうか)、それからフィリーネ・カシオメイサ(ふぃりーね・かしおめいさ)。提案は「魔術学科」や」
「「大人気ですね♪ 「魔法学科」」」
「ちゃうちゃう! よう聞き! 魔法学科やのうて「魔術学科」や」
「「ごめんなさい、聞き違えてしまいました」」
「まぁ別にどっちでも良いんやけどな、大して変わらへんし」
「「変わらないんですか……」」
「まぁ場所が場所やし。HIKIKOMORIの伝説の30歳魔法も、ここなら使えるかもしれんしな」
「「ひきこもり……? 30歳……??」」
「あー、そう! だからね! 魔法はいろんな事に必要になってくると思うから、ちゃんと使えるか確かめないと、ね? だから「魔術学科」、必要でしょ? ね? そういうことでよろしくっ!」


紅護 理依(こうご・りい)ビスタ・ウィプレス(びすた・うぃぷれす)よ。そうね、やっぱり機晶技術について学べる学科が欲しいかな」
「私は機晶姫ですけど、自分のことなのに完全には把握できていない仕組みもありますから。機晶技術を研究できる場を設けるというのは賛成です」
「「そういえば地中から機晶石が見つかったって、さっき誰かが……何の報告だったかしら」」
「なら決まりだね。「機晶技術科」、期待してるわ」


多比良 幽那(たひら・ゆうな)、そしてハンナ・ウルリーケ・ルーデル(はんなうるりーけ・るーでる)ですわ。提案は「生物学科」です。と言っても主は植物の研究になりますけど」
「「ニルヴァーナの植物はほぼ死滅していますからね。研究してくれる方がいると本当に助かります」」
「あら、あっさり承認? それはそれで面白くないわね。ここで「ダメ」と言われて反対されて、それでも強引に設立する、ってのを考えていたのに」
「「強引に?!! そんなの困りますっ!」」
「冗談よ、冗談」
「「その笑顔が…………怖いです」」
「まぁ、お祖母ちゃんらしいっちゃあ、らしいわよね」


「あたしも「生物学科」を提案いたしますわ。あ、ごめんなさい。立川 絵里(たちかわ・えり)よ。よろしく」
「初めまして、お嬢さん。僕はレッツィオ・セルバリオ(れっつぃお・せるばりお)と申します。以後、お見知り置きを」
「「はい、よろしくお願いします。「生物学科」という事は、ニルヴァーナの生物を調べるということですよね?」」
「えぇそうね。食用に適する動物、モンスターの習性やイレイザーの生態など。研究できるモノはいくらでもありますし、今後の探索にも役立つと思いますわ」
「その為にも校舎は早く完成させないとね。君の為ならいつでも駆けつけるから、気軽に声をかけてよ」
「……レッツィオ、ナンパするなら出て行きなさい」
「おっと失礼。新しい校長先生があまりにかわいらしかったので、つい」
「「あはは……はは……」」


非不未予異無亡病 近遠(ひふみよいむなや・このとお)と」
【分御魂】 天之御中主大神(わけみたま・あめのみなかのぬしのかみ)だ。わしらは「マントラ(真言)学科」の開講を希望するぞ」
「「マントラ……学科?」」
「過去にニルヴァーナで起きた戦争……補陀落山……観自在菩薩の所在の名に、その先に涅槃……」
「そして、たいむちゃんの名がラクシュミ……地球に伝わる魔術系統と、その名の一致を考えるなら…………」
「「えっと………………よく分かりませんが参考にしたいと思います」」


犬養 進一(いぬかい・しんいち)、こっちはトゥトゥ・アンクアメン(とぅとぅ・あんくあめん)だ。俺たちが提案するのは「パラミタ文化研究科」だ。起案書を用意してきた、見て欲しい」
「「起案書?」」
「学科の内容は口頭でも説明可能だが、履歴書も含めるとなると書面化するよりないだろう。俺はこの学校では教員として採用して貰う事が希望だからな」
「朕は生徒になりたいぞ! 入学したいのだ!!」
「「あ、その、教員に関してはまだ何も決めてないので。後日また、必ずご連絡します」」




 夕刻。
 本日「会議」も無事に終え、契約者たちは各々に夕食をとっていた。
 パラミタからの支給品を受け取る者、また各自持ち込んだ食材を調理して食べる者など様々だ。
 そんな中、
「は〜い、ちゃんと並んで下さ〜い。ズルする人にはあげませんよ〜」
 広瀬 ファイリア(ひろせ・ふぁいりあ)は弁当の売り子をしていた。いや、代金は貰っていないので、正確には売り子ではないのか。給仕係、食堂のおばちゃん状態のファイリアは次々に弁当を手渡してゆく。
「ありがとうございました〜。はい、次の人どうぞですー!」
「{/old}ファイ」
 背後からパートナーのウィノナ・ライプニッツ(うぃのな・らいぷにっつ)の声がした。彼女には具材の盛りつけをしてもらっていたのだが、弁当を受け取るべく並んでいる人数と照らし合わせると、とても弁当の数が足りないのだという。
「えぇっ!! そうなんですかっ?!! あんなにたくさん作ったのに」
「「卵焼き」だけが足りないのよ! サンドイッチ用の薄焼きと数間違えたんじゃないの?!」
「えぇ〜、そんなはずないはずです、ちゃんと量りましたし、ボウルの色も変えて………………………………あっ……」
「いいからっ! 作り直さなくていいから! 野菜サラダを多めにサービスしとくから。ファイファイの仕事をするの!」
「うぅ……わかりましたです」
 日の丸ご飯に、卵焼きに野菜の天ぷら、野菜サラダも添えた和風弁当。薄焼き卵にハムレタスとポテトサラダを一緒に挟んだサンドイッチに、ジャムを添えた洋風のお弁当まで用意してある。
 少しばかり野菜の多い弁当になりはしたものの、契約者たちにとっては実に有り難いサポートだった。
 明日もまた全力で動けるよう。パートナーと、友と仲間と共に、明日を見据えて鋭気を養い合ったようだ。