校長室
終焉の絆
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イコン修理と信じる勝利 戦闘が続く中、ガーディアンヴァルキリーには多くのイコンたちが補給や修理をしにきている。 それをこなしていくイコン整備士たち、長谷川 真琴(はせがわ・まこと)、真田 恵美(さなだ・めぐみ)、荒井 雅香(あらい・もとか)、イワン・ドラグノーフ(いわん・どらぐのーふ)の姿があった。 四人は出撃前のイコンの整備も担当していた。 二人一組に分かれて整備するイコンの数も分散、戦場や予測戦闘規模、各パイロットたちとのヒアリングを重ねて一機一機にベストな整備を行い、出撃を見送った。 しかし、案の定修理や補給を行うイコンが多かったため、ガーディアンヴァルキリーに乗艦し修理と補給を行っていた。 「ここにいる子たち、出撃前は準備万端でしたのに、見る影もありませんね。敵が予想以上に強かったのか、はたまた整備に不備があったのか」 「後者だったら反省しなきゃいけないけど、今は目の前のイコンを再整備してやらないと」 ボロボロになったイコンたちに、真琴が僅かながらの不安を抱く。 しかし、恵美の言う通り後悔や考える暇はなかった。修理や補給を待つイコンは、まだまだいるのだから。 「……左の二機は任せます。こちらの損傷が激しい機体は私が」 「わかった。さぁて、プロのお仕事再びご覧あれだぜ」 気合を入れなおして整備をガシガシ続けていく真琴たち。 その姿を見た雅香たちが手を貸しにやってきた。 「手が空いたから手伝いにきたわ。イワンはそっちの二機をお願い」 「任せとけ! ……しっかし、ポムクルさんのやつら、どこで油を売ってやがるんだか。 あ、なんだぁ? 大した損傷じゃねぇな! もっとボロボロにしてきてもいいんだぜ? 完璧に直してやるからな! ガーッハッハッハ!」 イワンの言葉を聞いていた恵美が思わず「いやだめだろ!」と突っ込む。 雅香はやれやれと言った顔つきで肩をすくませた後、真琴と共にイコンを修理していく。 と、修理をしてもらっているパイロットがふと言葉、自分の心の声を漏らした。 「こんなイコンで、勝てるんでしょうか……相手は新型でセラフィム機もいるのに……」 その言葉を聞いた雅香と真琴が手を止めて立ち上がり同時にこう言った。 「私たちの整備した子たちが負けるわけないじゃない」 「私たちが整備したイコンが負けるわけありません」 その思いは一つだった。四人は整備を続けていく。必ず勝てると信じて、ひたすらに。 「……報告」 「は、はっ。我が部隊は敵を壊滅させようと尽力していますが、中々奴等の防衛を崩すことが……」 「そんなのはどうでもいい。光の少女はどうした、と聞いている」 「し、失礼致しました! ……光の、少女は、その、未だ捕らえられず」 エレクトロンボルトを前にして、芳しくない成果を濁すように報告する部下。 冷静を保っていたエレクトロンボルトの眉根が険しく反り返る。 「……貴様等も、暗殺が得意だとぬかすクルセイダーも使い物にならんな。いっそ死ぬか?」 「あ、ああ、あああ……」 「失礼します! 坑道内より報告っ。光の少女と集まっている契約者たちを発見、これから総攻撃をかけるとのことです!」 「ようやくか。……エレクトロンボルト、出るぞ! 貴様等は何かあった際、全速力で報告に来い!」 遂にエレクトロンボルトが重い腰を上げ、金色のイコンに乗り込む。 向かう先は当然、ドワーフの廃坑道だ。